Part・IV

 

 

第三日目(5月4日)・その2 〜 第四日目
 
行程:白川町→阿蘇・草千里→別府→広島

 さて、飲料水も補給したことだし、今夜の寝床探し。しかしこの時既に寝床は決まっていた。
場所は阿蘇の上り口にある小さな休憩所。一応テントも張れるようで具合的には小さなオートキャンプ場?といったところ。
近くの売店に住み着いている犬「ジョリー」(←勝手に命名)は人なつっこくていい遊び相手になった。

  なんしぃと戯れるジョリー。
  比較的ガタイの良い犬で、襲われたら
  危ないかもしれないが、性格は温厚。
  人懐っこくてご覧のとおり、なすがまま。

とりあえず場所確保のためにテントを張り、貴重品とお風呂セットを持って温泉に向かうことにする。
 旅の最後の夜を飾る温泉は阿蘇の麓にある「地獄温泉」。民宿と一緒に経営されている温泉は数種類あり、手形を
購入して入ることができるのは黒川温泉と一緒。既に阿蘇の山々が太陽を隠し始めていた時間だが、私たちは構わず
温泉の手形を購入する。…というか、この時間が一番利用客が多く、どこの温泉も観光客で賑わっていた。

 キャンプ地への帰途につくころには陽は完全に沈み、辺りを闇が支配していた。テントは予め建ててきたが、食事の
準備をするためには明かりが必要。ちょっと急ぎ足でテントを張った休憩所まで帰る。
 キャンプ地に戻ってきた二人は、急いで食事の準備を始める。…が、なんしぃ、どうも体調がすぐれない…。
頭がぼ〜っとしてきて、頭が次第に痛くなってきた。どうやら風呂上りで体を冷やしてしまったらしい。調理途中にも
関わらず、なんしぃはダウンしてしまった。師匠、一人で黙々と自炊準備。すんません、師匠…m(_ _)m
 
 翌朝。テントのファスナーを下ろすと、真っ白な霧の世界が広がっていた。時刻は7時前であるが、太陽はある程度の
高さまで上っているらしく、ホントに白い世界が広がっていた。最悪だった体調も何とか回復し、澄んだ空気が心地よかった
ので、カメラを持って近くを探索する事にした。
 視界はおよそ100mと言った状態であったが、ジョリーはすでに起きて走り回っていた。白い世界の中、朝露で濡れた
緑の草むらの中をジョリーは駆け抜ける。そんな状況を見守っていると、白い霧がすぅっと晴れて、眩しい太陽の光が
顔をのぞかせた…。

  白い霧が晴れて、太陽の光が辺りを照らす
  瞬間を激写。ボロカメラのため画像が鮮明
  ではありませんが、とにかく美しい!!
  今回最高のショットであったのは言うまでも
  ありませんが、「来て良かった…」と素直に
  思えた一瞬でもありました。

 さて、今日はもう帰るだけ。朝食を済ませて荷物を積載し、我々はキャンプ地を後にする。ジョニーともお別れである。
モリケンジくんのいる牧場の脇をすり抜ける。朝霧の中を駆け抜けたので少し濡れてしまったが、澄んだ空気が瑞々しく
感じられてこれまた格別。
 山を下ってからTZRとVTRに食事を与え、阿蘇から北上する。県道11号を道なりに行くが、やはりGWのせいで車が
増え始め、ちょっと埒(らち)が明かなくなったので湯布院から高速を使うことにする。高速に乗ってからは師匠はまたし
てもカッ飛びモード。リミッターがかかっているTZRなぞお構いなし!ってな感じでバリバリに飛ばしていた。
 日出JCTを別府方面に向かい、そのまま別府ICで一般道に下りる。時刻は12時を回ったくらいだが、ここでまたし
ても「温泉じゃぁ〜」モードに切り替わり、あちこちで上がる湯煙を目指して放浪する。到着した温泉は場所・名前とも
忘れてしまい、ここでは詳細な情報が書けないが、道路脇にありちょっと工夫すれば中が覗けてしまう露天風呂。
しかも混浴。なんしぃたちが入ったときにちょうど20〜25歳くらいの「ぢょせい」が上がってきたところであった…。
(余談であるが、向こうは既に服を着ていました。こっちは半裸…。)
時間帯的には利用客がいないため、その後はなんしぃたちの貸しきりモードとなった。風呂の上にはドでかい柚子が
たくさん浮かんでおり、においが香ばしい。俗に言う「アロマテラピー」効果というものであるが、ライディングで疲れた
体を程よく癒してくれた。また離れの建物の中には「砂風呂」があり、熱い砂を全身にかけて汗を流した後に再び柚子
風呂につかる…ん〜優越。
 風呂から上がった後は別府港にひたすら前進。柚子風呂に長居しすぎ、フェリーの時間が押し迫っていた。二時間
おきの運行のため、ひとつ乗り遅れると二時間のロスだ。ちょっと道に迷いながらも、何とか別府港に到着。
 フェリー内はGW最終日とあって人でごった返していた。なんしぃたちは座る場所が無かったので、自前のシュラフを
広げて休眠。

  山口・徳山沖で撮影。
  曇り空の合間に太陽が顔を出し、その
  場所だけ海面が照らされてます。
  映画「紅の豚」のワンシーンを彷彿させる
  シチュエーションです。被写体の私は
  疲れきってますが…m(_ _)m
  

 3時間というクルージングを終えて、やっと広島空港に帰ってきた。時計は午後6時半を回っていた。
「おおぅ〜!久しぶりの広島じゃぁ〜」
ここから自宅までは約40分。さあ、がんばるぞ!とTZRのキックペダルを蹴り上げて、エンジンをかける。
ぬおぅ!!テールランプが!!!
…ものの見事に玉切れを起こしていた…。最後まで油断してはならない、それが「旅」というものだ…。

二泊三日という泊り込みツーリングはこれで幕を閉じました。
長いようで、短かった3日間。レポートも4ページにもなってしまいましたが、最後までご覧になられた皆様、ありがとう
ございました。
また泊り込みで行きたいなぁ…。

−おわりー

 

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