飼育日誌

   

 

2005年6月18日
「次車候補の大本命、遂に登場!」

6年の歳月を経て、日産車で唯一「いーなぁ」と思っていた(失礼…)「セレナ」がフルモデルチェンジしました!
先代は地味ながらも月平均5000台を販売していた、日産の「縁の下の力持ち」でした。
その要因は、考え抜かれたパッケージですが、後発の「ノア」や「ヴォクシー」に後れを取っていたのも事実。
満を持して登場した三代目「セレナ」は、先代のメッセージをしっかりと継承した優れたパッケージの持ち主です。
直前に発売された新型「ステップワゴン」に負けてまへんで〜!


 先代も個性的だったエクステリアでしたが、新型
 も個性的。最近の日産車としてみると控えめな
 イメージを受けますが、個人的には「カッコイイ!」
 と思います。写真のグレード「RX」はフラット
 タイプのグリルで一段と個性をアピール。
 位置づけ的には先代の「ハイウェイスター」ですが
 スポーティ+RVライクな印象を与えます。
 特に、大きくなったサイドドアウィンドウに注目!

 ヘッドライトは先代と比べると大人しく端正に
 まとまった印象ですが、内側にあるポジションラン
 プ に注目。点灯時に青く輝き、カッコイイ!
 バンパーはこの秋に施行される歩行者加害規制
 に対応するため、フラッシュサーフェイス化。
 まるでエルグランドのような押しの強さ…!
 ここまでインパクトのある顔は、5ナンバークラス
 では存在しないのでは!?

 リアスタイルも個性的。先代のイメージを残しつつ
 グラスエリアを拡大し、運転のしやすさを追求。
 スライドドア開口幅も拡大し、乗降性も向上。
 ハイマウントストップランプはデザイン化され、
 よりスポーティに。オプションでクリアレンズも装着
 可能なので、自分仕様のセレナを構築したい場合
 は要チェック!

 インパネはスピードメーターを中央に、タコメーター
 を左側に配置するオーソドックスなデザインです。
 実はベースとなったラフェスタと同デザイン。
 ライバル車のように自光式メーターは採用されず、
 モダンな印象を与えます。
 スピードメーターを囲むように配置されたATの
 シフトインジケーターはちょっとわかりづらい!?
 スポーティな3本スポークハンドルは20Gおよび
 20RXにオーディオスイッチが備わりますが、
 本革巻きとなるのは20Gのみです。


 撮影車はナビ非装着ですが、ナビ付き車はここ
 に7インチのモニタが鎮座。オーディオは豊富な
 ラインナップを揃え、純正ナビを装着するとバック
 ビューモニタとサイドブラインドモニタが備わり
 とっても運転しやすくなります。
 下段にあるのはエアコン操作パネルは、これも
 ラフェスタと共通ユニット。手探り操作しやすい
 ですが、先代後期のダイヤル式の方が操作性は
 良いと思いました。
 シフトレバーもラフェスタ流儀のパワーアシスト式
 ショートレバー。軽い力で操作できます。
 


 特徴的なフロントドア下段の処理は、死角になり
 がちの側面下方がここまで見やすくなってます。
 試乗しましたが、見えすぎて怖いくらい…。
 ミラーは大きいがもうちょっと上下に長くても良か
 ったかな〜という感じ。

 セカンドシートは小ぶりに見えますが、それは
 室内が広いため。実車はなかなか大きめの
 サイズです。が、ライバルのステップワゴンには
 負けてる感じですね。
 しかし、セレナ最大のウリはこのセンターアーム
 レスト。この状態だと完全なベンチシートで、横に
 3名が座れますが…。

 何と、兄貴「エルグランド」に習ってスライドし、
 キャプテンシートに早変わり!アームレストは前席
 までロングスライドするので邪魔になりません。
 空いたスペースはサードシートに移動するのに
 重宝します。
 

 更に、助手席側は横にスライド可能。反対側に
 出来た隙間からも3列目への移動が可能です。
 先代のシートは取り外し可能でしたが、新型は
 その使用頻度の低さから機能割愛。本当に必要
 な機能だけが備わった、合理的なパッケージと
 言えるでしょう。
 

 3列目も先代から大きく進化。前者跳ね上げ式
 になり、スプリングを追加する事でその操作も
 簡単になりました。
 また先代は尻上がりのウィンドウデザインで閉鎖
 感が強かったのですが、大きく取られたガラス
 エリアの効果で非常に明るくなりました。ただし
 横の窓は完全な埋め込み式となったので、クルマ
 酔いしやすい人を乗せるときは要注意です。
 なお、新しいセレナの注目装備で「インカーホン」
 が備わるのは、この3列目。声が通りにくくコミュ
 ニケーションが取りづらかった1−3列目の不条理
 が解決!今までありそうでなかったアイデア装備。


 エアコン吹き出し口は各席の側面に配置。二列
 目の運転席側に操作パネルも備わります。
 先代は1−2列目間の上部にしかなかったので、
 とかく3列目に乗る人は空調効果が薄かった…。
 その代わりといったら何ですが、先代の特徴だっ
 た物干し竿のような長いアシストグリップが消滅。
 物をかけたりするのに結構便利だったのに…。
 共存出来なかったのでしょうか?


 運転席中央上部に備わるマップランプは一般的
 なものですが、最近のトレンドに習ってLED
 スポットランプが備わります。さりげなく高級感を
 演出してくれてます。

 オプションで選択可能な「シアターシステム」を
 装着すると、こんなにごついリアモニタが…!
 9インチワイド画面で、勿論リモコン操作可能。
 少々頭上空間が圧迫されますが、1−2列間を
 ウォークスルーしない限りは気にならないと思い
 ます。
 ちなみに撮影車はサンルーフ付き車。

 リアの荷室容量も拡大。先代は新型と同じサイド
 リフトアップ車だと荷室奥行きが不足気味で、ベビ
 ーカーを積載する場合は立てかけるように置く
 必要があありましたが、新型は見事克服。
 A型サイズのベビーカーも寝かせたまま収納可能。
 もっとも、写真のようにリフトアップしてしまえば
 ベビーカーは折り畳まずにそのまま収納できます。
 天地(上下方向)が広くなったお陰ですね。

 

■インプレッション
  運転席に座ると、先代よりコンパクトになった印象を受けます。インパネ部分が低くなり、前後左右のグラスエリアが大きく
 なったことも影響していると思いますが、かなり見切りが良くなってます。また質感も向上してます。
  全車2リッターのみのラインナップとなり、エンジンも新世代4気筒「MR20DE」に換装。先代の「QR20DE」と比べて馬力
 が7psほど低くなってますが、走り始めてすぐにその差は感じられました。先代は下からグッと押し出されるような力強さが
 ありましたが、新型はあくまでもマイルド。女性には歓迎されそうな味付けですが、活発に走りたいオトーサンには不満に感
 じるかも知れません。フィーリングは「キューブ」に近いので私はそんなに気になりませんでしたが、先代から乗り換えた人は
 かなり「非力感」を覚えることでしょう。
  ハンドリングもどっしりしたものになり、先代のような腰高感が無くなりました。先代は良くも悪くも「1BOXカーに乗ってる」
 という認識を強要されましたが、低くなった座面とグラスエリアの恩恵でしょうか、セダンから乗り換えても違和感がありません。
 今回は街中走行しか出来ませんでしたが、高速走行時の安定性もかなり向上されているようです。ボディ自体の剛性感は
 先代とあまり変わりませんが、先代も結構剛性感が在りましたので問題ないでしょう。

ミニバンブームも定着し、その中でも激戦区となっている「5ナンバー・ボックス型」クラス。強敵「ノア/ヴォクシー」と定番の
「ステップワゴン」に立ち向かう、新型セレナ。今後のシェア動向に注目です。